疳の虫に漢方薬

あなたのお子さんが、手に負えないほどキイキイわめいたり、奇声、かみつき、夜泣き、ひきつけなどは、小児ヒステリーの表れで、昔から疳の虫(かんのむし)でおなじみの疳(かん)と言います。

「虫の居所が悪い」などと表現しますが、実際には虫など居ません(笑) 心理的な要因があり、感情を言葉や動きで発散できないことから、疳の虫としての行動で表現します。ひどくなれば、壁に自分の頭をガンガンたたきつけたりするツワモノもいます。

疳の虫の民間療法としては、赤ちゃんにつく悪い虫を追い払うというお彼岸行事「虫切り加持」が、300年前から山梨県のお寺でおこなわれています。住職が食紅で、男の子は左手に、女の子は右手に、虫封じの梵字を書き、お経を唱えるというものです。

疳とは「脾疳」のことで、腹部膨満感や異常食欲のことを言います。また、東洋の医学書には、疳の虫のことが記されています。

【疳の原因、文字の由来と戒め(いましめ)】
肉をたびたび食べると、内に熱がこもる。甘いものをたびたび食べると消化が衰え、食べ物が停滞してしまう。つまりこの病は、肉と甘味の美食が原因で起こる。それで疳と命名されたのである。

「疳の病は、すべて胃腸の病であり、大病や吐いたり下したりすることで体液が消耗し、脾胃虚弱となり起こる」

「小児の疳病は、乳を止め、離乳食を早めることによって起こる」

要約すると、美食によって消化不良になったところから端を発するのだから、根本的改善は脾虚、ですが、五行説では、脾を剋(こく)しているのは肝となります。土が弱っているため、木は成長できなくて、イライラしてくるという状態が起こります。

五行説

漢方薬では、疳の虫の治療に麝香(じゃこう)、牛黄(ごおう)、甘草(かんぞう)、大棗(たいそう)、当帰(とうき)、地黄(じおう)、釣藤鉤(ちょうとうこう)、柴胡(さいこ)、黄芩(おうごん)などが配合された漢方薬を服用することで驚くほど落ち着いてきますよ。